アヒージョ好きのビーバー

なんでもバリバリ噛り付きます。

グリーンアドバイザー

グリーンアドバイザーという資格は、なかなか聞きなれない名前である。

グリーンとは緑すなわち植物を、アドバイザーとは、こうした方が良いですよという示唆を与えること。たしかそういうものであったと思う。

アドバイザーという立場は、相手がその気にならない限り、役割が発生しない。

また、この資格を取ったからといって、給料が上がるわけでもなく、みんなに見せびらかすほどのものでもない。まして、気象予報士のように人命に関わるほどもなく、その日その日の人々の生き方を直接下支えするものでもない。

 

しかしながら、取得するために近年稀に見る凄まじい勉強をした。

そもそも講義を受けるために、あらかじめ資格を取るのにふさわしい緑化活動をして来たかどうかを尋ねられる。

小学校の栽培委員会委員長以来、何がしかの栽培活動に参加して来た実績を理解してもらい、なんとか受講資格は手に入れた。

講習は、新大阪駅の近くのホテルで行われた。ずいぶん前のことだから詳しくは覚えていない。ただし、参加費が3万ぐらいして、びっくりしたのを覚えている。2日間の講習の後、テストに合格すると、グリーンアドバイザーに認定されるのだが、3万円という高額と、今の仕事には何の役にも立ちそうにない目的意識の低さから、ひょっとして、これは何かの仕掛けではないかと思った。

しかしながら会場は豪華であった。

少し大きめの3人掛けのテーブルには、厚めの白布がかかり、椅子も1日中座り続けても、疲れないのではないかと思うほどゆったりしたものであった。

座席は、前から2列目。しかも中央。

資料やホワイトボードが見やすく、ベストポジションであった。

主催者である家庭園芸普及協会の挨拶が終わり、1日目の講師の大学教授の紹介と、肥料会社や薬品を扱う会社のスタッフの案内があった。

いよいよ、周りを園芸専門家で囲まれ、後には引き下がれない状況に追い込まれた。

講習は分厚い2冊のテキストを説明して行く形で行われた。

同じテーブルには、名古屋で園芸店に勤めている若い女性と、農業高校を卒業予定の男子学生が座っていた。2人ともよく勉強しているらしく頷きながら聞いていたが、2コマ目になると、高校生は居眠りをし始め、若い女性の方は、別の問題集のようなものを引っ張り出して内職をし始めた。

2日目の最後には、1時間の筆記テストがある。それの対策も考えなければならない。というのは、テストはテキストの持ち込みであり、どこにどんなことが書かれているのかを見つけるのが勝負の分かれ目となるらしい。だから、ここぞという箇所には、付箋をベタベタ貼り付けけていく。そんな作業を、実にたくさんの人がしている。

前の方の席だったので、全然気付くことがなかった。1日目の昼休みに、その必勝法を聞いて慌てふためいた。1日目の夜は徹夜して2日目に臨んだ。

2日目も、分かりにくい講習は続いた。仕事にしている人にはわかるらしく、休み時間にはあちこちで復習する集団が現れた。1つでも花の名前を覚えようとするが、なかなか頭に入らない。試験に落ちたら、また。3万円が必要になる。

落ち着かないまま、4時からのテストに挑んだ。テスト問題は、まるばつが40問。つづく40問は、すべて三択。それらは、文体がすべて異なっていて、問題の語尾は、同じものは、違うものは、この中で一年草はなどの形をとりながら、手を替え品を替え、聞いてくる。それには、3種類以上の草花の名前が書かれている。わからないときは、確実なものから振るい落としていったり、思い出すまで後回しにしておいたりしながら、滞ることなく、読み進めなければならない。何しろ1時間に80問である。一問にかける時間は1分しかない。カタカナで書かれた植物の名前を、読み返しているものならすぐにタイムオーバーとなる。全部回答すること。少しでもわかるところでは確実に正解すること。など、親切にも、合格を願う講師の先生が、講習中にアドバイスしてくれたことを思い出しながら解いていった。

 

全部書いた。

6割ぐらいは自信はあった。

テストが終わり、どうだったか仲間うちで回答を言い合う集団もあったが、耳をふさぐようにして、逃げるようにその会場を立ち去った。

 

後日、合否はネットで確認した。

今は、ただのグリーンアドバイザーではなく、スーパーグリーンアドバイザーに昇格している。

資格を持つと、どんどん専門性が高まっていく。今も、時間があればホームセンターに通い、植物の情報を仕入れ、用土や肥料、薬品についての研鑽を積んでいる。苦手な領域をできるだけ減らしたい。

職場や町内で、植物の育て方を聞かれるのが、最高の幸せの1つである。

 

気象予報士試験にも挑戦するため、数学の勉強をしている。