アヒージョ好きのビーバー

なんでもバリバリ噛り付きます。

素敵な和歌山 2

この、「素敵な和歌山」をシリーズ化をしようとしているわけではない。また、和歌山県の観光課から頼まれたのでもない。ケンミンショーに出たいためでもない。

ただ、駅置きの旅行会社のパンフレットを見ているうちに、偶然大好きな紀伊勝浦のホテルのプランが出ていた。読んでいるうちに、前回の古座川同様、いろいろと昔のことを思い出してしまい、もう山本リンダさんの如く、「どうにも止まらない」状態になってしまったのである。

 

それにしても、ふと思ったことを、このように書き留めて置くのは、書く方にとっては、とても安直なことではあるが、読む方にとっては、これほど迷惑な話はない。

第一、人の思い出話なんか何になるというのだ。楽しいと思うことは、人それぞれ違うものだし、感動する所も違うではないか。

しかし、そうは言っても、読みながら一緒に思い出を辿るうちに、その場所の本当のよさや価値に気づくことがある。

 

話は変わるが、地理という学問は、その土地の様子を明らかにすることを目的の1つとする。そのため、その土地の気候や地形、それとともに産業などを明らかにしていく。多くの場合統計を使用し、いつの間にか、理系的な展開に持ち込まれる。だから、この学問は、女子には人気がない。

しかし、百聞は一見にしかず。

実際に行ってみるか、行った人に聞けばいいのである。その土地の味や匂いが嗅ぎたければ、そこに行けばいい。その勢いは、どこか旅行に似ている。

旅行案内は、昔は名所旧跡の紹介であったが、今書店に並ぶ人気のそれは、必ず体験談があり、定番のコースを外れた見所を紹介しているものが多い。

これは、相当独りよがりの内容ではあるが、逆にいうと、バカボンのパパの言葉でもないが、これでいいのである。

実際、和歌山城を訪ねて、城の歴史のうんちくを聞くよりも、城の石垣に使われている、墓石や灯籠を探す方が思い出として残っていく。

そういうよさもあるので、和歌山をこよなく愛するわたしのおすすめを少しだけ紹介したい。

 

場所は、紀伊勝浦である。

紀勢本線で出かけても、ずいぶん時間がかかる。表現は悪いが、南紀は明治の終わりまでは陸の孤島であった。主な移動手段は陸路ではなく、海路であった。時間をかけて鉄道が敷かれ、新宮まで結ばれたのは、ずいぶん後の事である。和歌山県の交通網の整備の遅さは、現在も高速道路なのに渋滞するバイパス整備に似ている。その料金も、驚くほど高い。

和歌山から新宮までの電化工事も長く時間がかかった。国道は海岸沿いを通ることが多く景観はよいが、鉄道の方は、北部は山の中を通るため、周参見ぐらいにならないと車窓からの景色は期待できない。

京都・新大阪からは、特急くろしおが、運転されている。

 

 勝浦という地名は、千葉県にもある。

千葉の勝浦は、紀州の漁師が黒潮に流されて流れ着いた地に故郷の名前を付けたものだと言われている。

しかし、千葉の勝浦は「勝浦駅」と呼ぶのに対し、和歌山は「紀伊勝浦駅」と呼んでいる。どっちが元祖なのだと疑問が浮かぶが、後輩が先輩を差し置いて、という感じなのかもしれない。

 

紀伊勝浦駅から海岸に向かって商店街らしい町並みが続く。決して広くはないが、筋というより面として、店の分布を捉えた方が良い。全国どこの地域の商店街を見ても同じ有様ではあるが、この街には、マグロの港ゆえのマグロ料理専門店が、多く点在する。マグロのどの部位も余すことなく料理するぞ、どうだまいったかといった勢いを感じる品書きが店頭にならぶ。

 

そのまま海岸に向かうと、右手に大きな漁港の建物が見え、たくさんの白い漁船が見える。近海でとれる生マグロの水揚げ港であるが故に、船体はそう大きくはない。それぞれのマストが重なり合って、とても繊細なよい景色である。

 

その港の脇にというか、港を囲むように勝浦温泉のホテルが立ち並ぶ。それぞれは、とてもしっかりした建物ではあるが、いくつかの島を浮かべる湾の景観の邪魔をしないよう、実に控えめに建てられている。

陸続きのホテルもあるが、目的のホテルには、小さな桟橋から連絡船で渡る。すぐそこにあるのに、わざわざ船に乗せられ 運ばれるのである。食材などはおそらく車で運んでいるらしいことは容易に想像できるが、この仕掛けは、一気に旅情を高めてくれる。中でも帽子をかぶった亀の連絡船に乗ろうものなら、それこそ懐かしい浦島太郎の物語の始まりとなる。

わずか5分ほどの船旅の後、亀の恩返しである竜宮城になぞらえたホテルの桟橋、すなわちロビーに到着する。

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ホテルは、はじめに建てられた本館をはじめ、2つの新館と、山の上にあるもう1つの新館とがある。 新館といっても本館が、もうずいぶん前に建てられたものであるので、それなりに年季が入っている。しかし、毎年少しずつ変化しているために、くたびれた感は一切ない。

そこで働く従業員は、ほとんどが地元の人でみんな親切である。このホテルが開業したころ、NHK新日本紀行で、この巨大なホテルは、地元の若者が働きたい憧れの場所であるとして紹介された。いわば、勝浦の誇りなのである。

その精神は、このホテルだけではなく、勝浦温泉のどの旅館にも受け継がれており、その情熱が冷めやらんためか、客足はいっこうに衰えない。

 

館内は迷路である。迷子にならないよう、床に目的地別の色分けの表示があり、それをたどりながら 移動する。難しいことではないが、館内にはたくさんの温泉があり、それをスタンプラリーのように巡っていくお楽しみがある。夢中になると、温泉でのぼせあがってしまい、「ここはどこ、わたしはだれ」という状況に陥ってしまう。その時は、この道案内にずいぶん助けられる。

20年前は、結構な料金であったが、今はとてもリーズナブルになっている。そのぶん、部屋食や懐石料理はなくなり、レストランでバイキング形式に変わってきた。

 

その、南紀を代表するホテルに泊まりJRを利用した格安プランを見つけたのである。別に、ホテル会員の優待を使うプランもあるが、どちらがいいのだろう。

 

釣り具を借りて桟橋の横で魚を釣ったり、カラオケをしたりすることができる。小さいが、コンビニもある。
ここまでくれば、ハワイのような長期滞在型のリゾートホテルまであと一歩である。

他のホテルと連携して、湾内を連絡船で行き交いホテル湯めぐり。漁船に乗って釣り体験。熊野古道体験。など、可能性がどんどんと広がっていきそうである。

 

また、宿泊したら、素敵なところを3000字ほどで、紹介したい

好評なら、シリーズ化しようかなあ😀