アヒージョ好きのビーバー

なんでもバリバリ噛り付きます。

武士道復活

水戸黄門が地上波から消えてずいぶんになる。

若い読者に断っておくが、水戸黄門というのは、水戸の藩主である徳川光圀を直接名指しするにはもったいないため、権中納言という武家官位を名乗っていたことから、その唐名としての黄門を当てたもので、水戸の藩主の権中納言ということである。徳川光圀は、大日本史の編纂のために、たくさんの儒学者を全国に派遣し、つぶさに見聞させているが、そのことからか、光圀自体が各藩を訪れ世直しをするという物語である。

ドラマのはじめから半分まではずいぶん許されない事件が起き、それが大抵、その土地の代官や家老などの、いわゆる偉い人が、真面目に生きる貧しい町民や百姓を困らせ理不尽に振る舞うのである。

40分ごろからいよいよ悪だくみがバレ、水戸黄門自らが乗り込み、必ず民衆の味方となり、武士の横暴を戒める。その時、騒動を静ませるのが、佐々木助三郎渥美格之進で、「控え、控え、控えおろう。この紋所が目に入らぬか。ここにおわす御方を、どなたと心得る。こちらにおわすは、先の副将軍、水戸光圀公であらせられるぞ。頭が高い。控えおろう。」という決め台詞で、きちんと正三角形の頂点に立つ黄門様が、武士や代官へのお裁きの言葉と、庶民への労いの言葉をかけて、高笑いをして一件落着なのである。

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昔はブラザー劇場、ナショナル劇場、として、月曜日の8時から1時間番組としてあったが、いつからか、大岡越前と交互に放映されていた。

 

日本国民は、月曜の夜から、世の中の理不尽を憎み、必ずこの世は正義が味方するのだと、叩き込まれた。水曜日も銭形平次があり、金曜日には必殺仕事人が放送された。昭和な時代には、勧善懲悪と平和は、必須アイテムであり、そうあることに日本人としての喜びを感じていた。

 

しかし、このところ、地方メディアが再放送する以外、有料放送でしかお目にかかれなくなってしまった。よくて、水戸と言えば納豆、銭形と言えばとっつぁん、必殺はそんな言葉は使ってはいけませんというところである。

道端で刀を振り回す子供なんて、この数年来見ていない。それどころか、ライフルや拳銃で撃ち合う子供も絶滅した。

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子供はみんな、小さな薄いハコモノを両手で抱えて一心不乱に指を動かしている。耳に栓をして。

 

悪いことをすれば必ずバチが当たる。いけないことをすれば、それ相応の償いをする。ということも薄れつつある。

実は、海外の旅行者は、その昭和な時代に会いに来ているのだ。あの頃の、鉄腕アトムや少年ジェットが、子供たちに正義と平和を教えていた日本に会いに来ているのである。グルート草津サンダー杉山が、屈強な外国人に立ち向かっていたバイタリティーに溢れる日本人に会いに来ているのである。

 

しかし、それを学んだはずの大人達の中には、テレビの前で、平然と嘘を言い、責任逃れをする。大人は大したことはない、悪いことをしても許される、と心の中に残ってしまった子供たちはどうしたらいいのだろう。

 

ウルトラマンが復活したように、チャンバラも復活させてほしい。武士道精神を見せつけてほしい。