アヒージョ好きのビーバー

世の中の本質を、自分なりに考え、解説します。正義感が強く、偉そうなもの、金持ちには、牙を剥きます。

矢場とんはトントン拍子

青春18切符で名古屋に出かけた。

 

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ラッシュの時間に重なり、ものすごい混みようであっ た。座れたのは京都から。新快速は、京都から湖西線東海道本線とに分かれるので、気をつけなければならない。うっかり湖西線にでも乗ると、今日の場合は、命取りである。
今日は乗り鉄。できるだけ待ち時間を少なくしながら、違った車両を楽しむ。モーターの音、ブレーキの効き具合、線路の保線の状況、車内アナウンスの内容、乗客のマナー、乗り継ぎのしやすさなど、一度にたくさんの事項を比べ、比較する。
今日は、今までに何度か試みてきた、名古屋までの往復、まさに尾張大返しである。

JRは、よく遅れる。最高の趣味の提供者なのに、また苦情を申し上げるのも厚かましいことでござるが、近頃本当によく遅れる。今日は、誰かが線路内に立ち入ったためらしい。最近この案内が多い。どこのどいつが、どうしたのかと聞き正したいほど腹がたつ。立派な犯罪だ。阪和線は、踏切の意味を理解できない、外国人旅行者が警報中でも踏切に立ち入り、ちょくちょく遅延するらしい。
米原発大垣行きがあと6分で発車するという時に、電車はいよいよ停車し、先ほどの遅延のアナウンスが繰り返し放送された。6分後の大垣行きに間に合わなければ、30分も待たなければならない。

何とか3分前に動き始め、2分前に電車のドアが開いた。あと2分、なんという人だ。たくさんの人が、隣のホームに待つ電車を目指し、階段を駆け上がり、滝のように階段を降りていく。遅れてはいけないと階段を這い上がり、置いていかれないように必死でついていく。

ここから、大垣までは、駅間も広く、結構なスピードで走る。しかし、便利が悪い。1時間に2本。岐阜や名古屋に向かう電車なのに、大垣どまりである。
大垣から東へは、新快速が走ったり本数も多くあったりする。どうして、ここだけこんなに不便なのであろうか。関ヶ原があるように、東西文化の分岐点であるとも言われる。言わば関西と関東を分ける分厚いカーテンのような場所であろう。米原〜名古屋は、東海道新幹線が走っているのだから、それに乗ればいいのではないか、地元の人はあまり利用していないのだから。と、
このようなところとして、 山陽本線の姫路〜岡山がある。そんなに無理して乗らなくても、新幹線があるのだから、それに乗ればいいじゃないか。というものだろう。険しい峠や、困難な場所に線路を敷設した労働と費やしたお金や時間をどう考えているのだろう。そんなこんなで、いろいろ考えているうちに大垣に着いた。



大垣から東へは、新快速である。保線はきちんと整備されているらしく、すこぶる乗り心地が良い。停車駅には、岐阜や名古屋のような県庁所在地があり、豊橋や、浜松まで運転している。岐阜と名古屋は、神戸と大阪のような位置関係なのだろうか、また、それならば、豊橋は、京都なのだろうか、それとも、滋賀県米原のような場所なのか。ということを考えているうちに、樽見鉄道揖斐川にかかる緑色の鉄橋を左に見ながら、やがて電車は長良川を越え、木曽川を渡り、名古屋駅のホームに滑り込んだ。


 

何か食べよう、せっかく名古屋に来たのだから櫃まぶしか、味噌カツを食べようと思い、店を探した。名古屋めしの代表選手に会いたい。櫃まぶしは3400円也。そういえば、NHKの新日本風土記の「名古屋めし」で、パン職人として一人前になった青年が、その節目に、苦労をかけた両親に、「櫃まぶし」をご馳走するというシーンがあった。それを見ると、どうやら、名古屋の人にとっては、「櫃まぶし」は、かなりフォーマルな食べ物の範疇に入るものではないか。それを、地方からのこのこ現れて、カジュアルないでたちで、そんなありがたいものにお会いするのは、全く無作法極まりない、野暮なことのように思えた。
ということで、今回は、味噌カツに挑戦した。11時過ぎなのに、もう地下の味噌カツの名店「矢場とん」は、行列ができていた。

しかし、そう待つこともなく、すぐに店内に案内された。
早速、名物のわらじ とんかつ定食をオーダーした。


 

ある店員さんは、出来上ったかつを正確な運んでくる。その間、A5とかB2とか、暗号が飛び交っている。わらじとかヒレとか、かつの種類は聞こえているので、おそらく、客のグループの区別かなあと、いろいろ考えながら出来上がりを待った。

いよいよ来た。かつは大きい。しかし、薄いので大丈夫。付け合わせのキャベツも、綺麗に切ってある。食べる前に、味噌をかけてくれるが、それを専門にするチーフのような人がいる。味噌をかけながら「すりごま、一味、からしが合います。足らなかったら行ってください」と、どのテーブルでも同じ文言を、同じ調子で伝えている。その言葉で、とんかつを食べる客は、そのしきたりのような、圧倒的に店側有利の体制を受け止めながら、ルールにのっとって、正々堂々と、とんかつをいただくのである。



味噌は甘めで少し緩い。さらさらしてソースのようである。ご飯がすすむ。箸が、山本リンダ状態になる。(どうにも止まらない)もともと、鉄ととんかつは熱いうちに、どうにかすべきものである。あっという間に食べ終えた。味噌をお土産に買った。
まだ早かったが、暑くて、観光どころではなく、また、不便な東海道本線を大垣に向かって帰路に着いた。