今、日本国中の会社員に問う
ゴーンの高額な報酬が問題になっているが、会社の儲けは誰のためにあるのか、また、社会に対して、あげた利益をどう考えるのかということに、注目が集まりつつある。
経済は、あなたがいてわたしがいるという世界である。お客の上に販売者がいるのではなく、販売者や生産者は一番下に位置付けられる。
ゴーンや、宇宙旅行社長が、何十億のなんとかという話があるが、会社の儲けを、異常なほど独り占めするのは、社会的な道徳に反する。
それは略奪だ。
欧米は略奪の文化である。だから、アフリカやアジアで、植民地をつくり人々の富を略奪した。
お客に法外な値段で売って儲けているか、儲けを十分に社員に分配していないかである。日本は、商法上社員は株主とされるが、働く人に対しての意識が本当に低い。今の政権は、維新と組んで労働組合つぶしを続けている。かれらは、何億と報酬をもらっている、大企業の経営者のための政党である。大阪のおばちゃんは、そろそろ目覚めないと、世の中から取り残され、弱者が騙され続ける社会づくりに貢献してしまう。
国でも、消費税は8パーセントである。様々な経費を引いた、純利益は、やはり、8パーセントほどであろう。しかし、純利益を30パーセントを取っている会社も多い。
そこで、社長の報酬の上限をきめたらどうだろう。例えば一億円まで。たくさん儲けるのではなく、従業員の給料アップなど、社会に還元する仕組みをつくることが、急務である。
一生懸命働いているのに、社長が何百億円で宇宙旅行へ行ったり、高額な絵画を買ったり、女優とプライベートジェットでスポーツ観戦をしたりする会社なんて、一体なんなのだろう。絶対働きたくないし、そんな会社のものは買わない。
しかし、日本人はそこまで、考えないプライドの低い人が多いから、100均でもローコストの衣服でも昆布の佃煮でも、おでんのスジ肉でも、外国製品を平気で買う。誰がどれだけ儲けていようと、それが自分の生活とつながっていることが、想像できない。
中国人の箸に対するプライドや、インド人のカレーに対するプライドなど、日本人は到底及ばない。
私は、あれほど役員が儲けている日産の車は買わないと決めていた。儲けたお金を社員(株主)にも、従業員にも分配しないトヨタも乗らないでおこうかと思う。
もう、市バスと電車で移動する、健康人間になろうと決意しつつある。できれば、車でしか行けない今の職場をやめて、交通の便の良い場所で勤めたい。
日本には、従業員を大切にした、社長がいた。パナソニックの松下幸之助である。松下さんは、丁稚奉公から、二股ソケットの開発を経て松下電器(ナショナル)を日本一の家電メーカーに育てた。「工場で何を作っているのですか」と尋ねられ、「人をつくっています」と応えたのは有名な話である。そこには、会社である以上、従業員は家族である。その全ての家族を幸せにすることが自分の役目だと信じていた松下さんの哲学がある。
また、苦労して開発をしても、特許をとってアホほども受けるのではなく、国民の生活の向上のためや、さらなる技術開発のために、そのノウハウを簡単に公表してしまった偉人や会社もある。
即席ラーメンの開発者であった、安藤百福さんも、VHSの開発者であるシャープ電機も、ものづくりのノウハウを公開して、自分だけの利益にしなかった。
そうした日本型の経営は古臭いという小泉が欧米型の競争原理である新自由主義を導入し、日本企業は評価評価、自己評価と、従業員の顔が見えない、心が読めない経営をし続け、今日に至っている。
日本流のやり方が本当に古臭いのか、今一度考えてみる必要がある。そして、IMFが言うように、労働者の賃金をさらに上げないと、この崩壊はさらに進むことになる。