アヒージョ好きのビーバー

世の中の本質を、自分なりに考え、解説します。正義感が強く、偉そうなもの、金持ちには、牙を剥きます。

味噌工場見学で

台風一過、

味噌工場の見学に行って来た。

 

今、工場見学は、大変なブームで、満員で断られることが多い。見学に行くと製品の作り方がわかるし、それ以上に製品に対する、働く人の思いに触れることができる。工場では、機械で一度に、大量に同じものを作る。しかし、その1つ1つは、別々の人に届くため、1つとして性能や味を落とすわけにはいかない。

そういう意味で、どんな工夫をしているのか知るのが、工場見学の楽しみの1つでもある。

また、作り手の思いを直に聞き、その製品の良さを別の角度から味わうことができる。

3週間前に訪れたマヨネーズ工場では、創業者の人々の健康への思いと、どこまでも味を追究して行く研究姿勢に心を打たれた。また、それ以上に感じたのは、実際にそこで働く人々の製品に対する熱い誇りと自信である。お土産も楽しみだったが、このような気持ちに触れることができるのが嬉しい。わずかな時間の中で、すっかり洗脳され、その会社のファンになってしまった。スーパーで、マヨネーズを見かけると、そうかここにいたのだねと、思わず声をかけてしまいそうになる。

 

学生時代にも、地場産業の調査実習として、梅干し工場や蚊取り線香工場を訪ねた経験がある。醤油工場もパイル織工場も訪ねた。

どの工場でも、若い学生を相手に、社長が自ら工場の歴史や創業の思いを語ってくださった。

今では、どの工場も有名になり、中には日本を代表する製品を作り出している会社もある。今でも醤油も蚊取り線香も、そのメーカーのものを使っている。

 

さて、少し横道に逸れたが、今日は味噌工場の工場見学である。実は、そこの味噌は、味が良く原材料にもこだわっているので、普段からネットで取り寄せをしていた。それほどの会社なので、一度社長さんにも会いたかった。

 

醤油や酒、味噌など醸造業に携わる店は、味が変わらないことや歴史をとても大切にする。まるで歌舞伎の世界のように、何代目という呼び方をされる。和歌山で、広村を村人たちを津波から救った7代目濱口儀兵衛はヤマサ醤油の当主であり、濱口梧陵と名乗っていた。

 

社長さんは、実に誠実な人であった。加えて素晴らしい研究家でもあった。待合で、10人ばかりの前で日本の味噌の歴史や、地域の特徴を説明してくださった。途中いつもは勉強の鬼としてメモをしているノートを忘れて来たことに気づき、後悔した。配られた資料に直接書き込んだが、みるみるうちに余白は無くなった。

 

話は実に素晴らしい。どうして、甘口になるのか。麦麹がなぜ西日本に点在するのか。甘味噌文化が瀬戸内海の北側の地域に根付いたわけは何か、など、なるほどそうだったのかと納得できる話ばかりであった。

実際に、社長さん自ら工場の中を案内してくださり、麹や味噌の熟成具合を実際に舌で味わわせてくださった。

「味噌は、最後までそのままをいただくものだから、原料は嘘がつけない」という言葉の中に、仕事に対する真摯な思いを感じ、じ〜んと来た。

社長さんは、これから昆布の勉強をされるそうだ。すばらしい。

好きな味噌を作る人が、こんなにも研鑽を積み、仕事に励んでいる姿を間近に見ることができ、本当に心に残る工場見学だった。

 

お土産もいただいたが、たくさん買い物をして帰った。今まで以上に、大切に使って行きたい。