子猫1
愛犬、愛妻、愛人という言葉があって、それなら猫は愛猫と書くのだろうかと思っていたら、やはりそうであった。
2ヶ月前に、16年間も一緒にいてくれた愛犬りょうは、静かに天国に旅立った。
今日、子どもが知り合いの会社の人から、その会社に迷い込んできていた、野良猫の子どもをもらってきた。サバトラである。家族の中には、猫アレルギーだから絶対に嫌だと主張する意見もあったが、生まれた日が、りょうが亡くなった日に近いということや、ねこがもらわれるタイミングは神のみぞ知る謎で運命的なものだという、何か呪術的な意味合いの話だとか、聞いているうちに、普段遠慮がちな子どもが、エイって、飼うことに決めてしまった。りょうの生まれ変わりかもしれないと、ブツブツ言いながら。
今日、その野良猫の子どもがやってきた。いや、わざわざ遠くの会社まで行ってもらってきた。
電車で運ぶために、トラベルキャリーを買って。
ネットで買った、アイリスオーヤマの2段ゲージは、まだ届いていないので、近くのドラッグストアから、ダンボールをもらい、仮説住居とした。
野良猫の子どもは、やはり野良猫である。近くの獣医さんに、健康診断をしてもらい、健康体であることを確認してもらったが、先生が言うには、今は、猫の爪を外すことができるらしい。あの、いつでもどこでもガリガリ引っ掻きまくる行為でも、壁紙は大丈夫ということである。爪がなくなっても爪とぎはするのかと気にはなったが、そんな残酷なことは考えないようにした。
家に連れて帰り、ずっと起きていたが、一緒に遊んでほしいらしく、箱の中で鳴いていた。
そのうち、ダンボールの箱の壁を乗り越えようとして、跳ねまわり出した。あまりにもやんちゃなので、うる星やつらの、いたずらっこてんちゃんになぞらえて。てんちゃんという名にした。
遊んで欲しくてたまらない、赤ちゃんである。
メス。雑種。サバトラ。メス。
これから、てんちゃんは、ちょくちょく登場する予定だ。
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