てんちゃんは、先月我が家に来た、野良猫である。うる星やつらのてんちゃんのように天真爛漫なので、そんな名前がついた。正式名称はてんてん。これでは、あの霊幻道士になってしまうではないかと憂慮して、てんちゃんと呼んでいる。
先日やっと一ヶ月が経ち、次第に家の中でも落ち着いた行動をとるようになって来た。
名前も呼ばれれば、声の気配を感じて寄ってくるようになった。
リビングの、どこにいれば良いかもよく理解していて、ほんとに眠い時には避難する場所も探し出している。タンスの下の静かな暗闇である。
タンスやテレビの裏まで行くので、体に誇りをつけてくる。毎日掃除機をかけないでいると、たいへんなことになる。
はじめのうちは、一階のゲージの中のハンモックの上が、てんちゃんの、寝床であったが、今は、2日に1日は、子どもの部屋のベッドの隅で休んでいるという。
近頃はどんなところにも入り、棚や扉の中も平気で侵入する。台所の下の棚に、お菓子をストックしているのが見つけ、自分で開けようとしている。また、缶詰など空き缶にも目がない。
テレビの天気予報では、天気図を指す指示棒の先の黒いボールが気になって、今でも飛びつきそうである。
爪が服や体にあたり、痛くなって来たので、爪切りと電動爪削りを買った。少しだけ爪は短くなったが、紙の爪磨きがどこまで通用するか、不確かである。もう少し大きくなったら、爪対策もたいへんになる。
今は、猫はてんちゃん1匹だが、母と子どもの取り合いが激化してくると、1人1匹欲しくなるかもしれない。なにか、近々また増えそうな気がする。
虐待ではない。