アヒージョ好きのビーバー

世の中の本質を、自分なりに考え、解説します。正義感が強く、偉そうなもの、金持ちには、牙を剥きます。

豚まん食べたい

神戸では、豚肉が入った饅頭のことを豚まんとよぶ。肉といえば牛肉のこと。だから肉まんとは言わない。

関西は昔から良い牛肉があったためだ。近江牛肉、松阪牛、神戸牛、但馬牛、三田牛、など霜降りの良い肉がある。

肉買ってきてと言われると牛肉で、100グラムいくらを何グラムと言いながら買う。昔はよく、250円のを300と言って買っていた。

 

京都の人が、よく柴漬けを食べたいと思うことがあるらしいが、神戸っ子は、ある日突然豚まんが食べたくなる時がある。そんな時は、コンビニですませる場合もあるが、正しい市民はそういう妥協はしない。もうすぐ夜明けだが、神戸の豚まんを紹介しよう。

 

神戸は、難波の551の豚まんも売っているが、豚まんなら、一貫楼の豚まんが大きくて美味しい。551の難波蓬莱は、いわば、伊勢の赤福みたいなものである。あちこち顔を出しすぎて、ありがたみに欠ける。

この、一貫楼の豚まんは、ソースにからしを混ぜて食べる。ソースの酸っぱさと、豚まんの皮の甘さ、中の餡である肉のあジューシーさが、からしのピリッとした号令で、一体感を増す。嗚呼、たまらない。

柔らかく、すべすべしていて、上品である。

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元町に老詳記の豚まんもあるが、観光客向けで南京町でわざわざ並んで買う神戸っ子はいない。面倒くさいことはしない。

どうしても買いたい時、例えば老詳記の豚まんが食べたいと言う友達が来た時は、元町5丁目の、老詳記で買う。並ばなくてもいい。ほぼ同じ味。

いい加減な旅行記者が、いい加減なことを書いているのが、ガイドブックであり、地元ではそんなに注目を集めていないのが事実。

 

どうしても食べたいなら、新開地の春陽軒の豚まんが、数段上だ。

一貫楼と同等ではあるが、こちらは入手しにくい。

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春陽軒を知らない神戸っ子は、神戸っ子にあらず。映画館で娯楽場であった聚楽館と春陽軒は、セットで覚えないと馬鹿にされてしまう。

 

洋食も中華も一緒に食べることができた春陽軒は、松竹座のすぐ前にあり、食の殿堂であった。家族で行く時は、普段着では出かけなかった。鶏肉が苦手なわたしが、オムライスの鶏肉を食べないでいると、近くの席の品のいい老人に、ちゃんと食べなさいと叱られたことを覚えている。

当時の新開地には、色街がすぐ東にあったため、随分本格的な料理店がわんさかあった。今も、その流れが受け継がれ、金プラや丸天、大関といった老舗が列挙している。

未だに、三ノ宮にある店は大阪や東京のチェーン店が多く、味が大味である。だから、大切な友だちとの食事は、新長田から神戸までの間の店と、決めている。

新長田は、焼肉がべらぼうにうまい。西の鶴橋と言われたりするが、新長田の方が、数段綺麗で味に深みがあると、勝手に思っている。

 

春陽軒の豚まんか、少し大きめの一貫楼の豚まんかどちらかを食べれば、もう、大きな顔をして、三ノ宮商店街を歩いてもよい。

 

今は、あの、ばらソースに合う、一貫楼の豚まんが食べたい。できれば、3つ。

朝になったら、JR三ノ宮駅のガード下で買ってこよう。