アヒージョ好きのビーバー

世の中の本質を、自分なりに考え、解説します。正義感が強く、偉そうなもの、金持ちには、牙を剥きます。

アホノミクスの新解釈

大阪のおばちゃんはアベノミクスで何をしているのか知らないが、生活は、豊かになっていないことを知っている。

うちの子どもは、そんなに働きもしていないが、マイナンバーや働かされ改悪が、なんの意味がないのを知っているし、近頃のテレビ番組はどうしようもない、くだらなさが、満載であることを知っている。

わたしは、エコノミストとして、アベノミクスが崩壊することが日本の再興の足がかりになると提起している。

安倍は、そのアベノミクスは、多くのエコノミストから、ダメノミクスと呼ばれ、アホノミクスと揶揄されているのを、隠している。いつも敵を作り、それを攻撃させることで、何も考えないマスコミや無責任国民の批判を反らせてきた。先回りした服従の煮え湯を若者たちは浴びせられる。その若者も、洗脳され、ネトウヨと化し、安倍の右翼化計画を推進している。プロパガンダと世論誘導である。

まるで、もう、第二次大戦前のヒトラーが出現した頃と同じである。アホノミクスがなんであるか、知りたい貴兄に、次の、同志社大の浜 矩子 さんの文章を紹介したい。できれば拡散していただきたい。日本の正義のために。

f:id:deebtomy8823:20180914182428j:image

f:id:deebtomy8823:20180914182804j:image

 

アベノミクスによる「デフレ脱却」や生産性向上のかけ声のもと、市場や生産現場、職場が呼吸困難な状態に追い込まれている。「時代錯誤の愚かな政策」がさらに続けば日本経済は"窒息死”しかねない。かねて「アホノミクス」の呼称でアベノミクス批判を展開する、同志社大学の浜矩子教授による寄稿をお届けする。

 自民党総裁選が始まったが、多くの人が「安倍三選」になってしまうと、みている。何ともはや、情けないことだ。何でこういうことになるのか。そうなってしまうと、その次に起こることは何か。

 安倍政権が自らの経済政策を言うところの「アベノミクス」を、筆者が「アホノミクス」と命名し替えて久しい。なぜアホノミクスなのか。端的に言えば、安倍政権の経済政策がよこしまな政治的下心に基づいているからだ。

 彼らは「強い御国」を作る自らの政治的野望を達成するために経済政策を手段化して来た。だが不純な動機で経済を弄べば、必ず経済活動の調子は狂う。結果的に強くしたかった経済を弱くしてしまう。こうして下心のある経済政策は不可避的に墓穴を掘る。だが彼らにはそれがわからない。

 ここにアホノミクスのアホたる最大のゆえんがある。
 

【「アホノミクス」が今以上に長引けば日本経済は“窒息死”する】
                                                                浜 矩子      お陰様で、アホノミクスもかなり普及してきた。そのうち、ご本人も口が滑って、思わず「アホノミクスは不滅です」などと、「アホさ」を認めてポロリと発言する日が来ると思っているのだが、「安倍3選」となれば、その日はまだ先のようだ。

 安倍首相を親玉とする「チームアホノミクス」への支持がしぶとく一定水準を維持し続けるのはなぜか。

 

敵をはっきりさせる
「偽預言者効果」で支持率を維持
 その要因には、2つの側面があると、筆者は考える。

 側面その一が「偽預言者効果」だ。そして側面その二が「振り込め詐欺効果」である。

 偽預言者とは、どのような存在か。偽預言者と真の預言者の違いはどこにあるのか。これまた、要点が2つある。

   第一に、偽預言者は、人々が聞きたいこと、人々にとって耳心地のいいことを言ってくれる。そして第二に、偽預言者は敵が誰であるかをたちどころに教えてくれる。

 真の預言者が鳴らす警鐘は、人々にとって耳が痛い音を発する。あまり聞きたくない音色だ。だが、その音色は人々を救いへと導く。だが、偽預言者が発する甘い音色は、人々を破滅へといざなうものだ。

 偽預言者はいう。「悪いのはヤツらだ」。それを教えてもらうと、人々は安心する。安心して悪いヤツらの撃退に乗り出して行く。偽預言者は対立をあおる。それに対して、真の預言者は和解を説く。許しを説く。敵に対しても慈愛を示せという。それは難しいことだ。だがその難しさを誰もが克服すれば、真の和平が実現する。

 チームアホノミクスの大将である安倍首相は、名偽預言者だ。「強い日本を取り戻す」と声高に宣言する。「あの時の日本人にできたことが、今の日本人にできないわけがない」と人々を鼓舞する。

 彼が言う「あの時」とは戦後の高度成長期と明治日本の建国の時だ。

働き方改革」を前面に押し出し、「生産性革命」を起こすといい、「人づくり革命」も敢行するのだという。人とAIが効率的に絡み合う「ソサエティ5.0」なるものに日本の未来があるのだという。

 こうしたえたいの知れないキラキラ言葉群が、甘言への免疫力が弱い若者たちを引き寄せる。厳しい経営環境の中で閉塞感にさいなまれる中小零細企業者たちを惑わせる。

 2017年7月の東京都議選の折、街頭演説に立ったチームアホノミクスの大将は、彼に対して「帰れコール」を浴びせた聴衆について「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」と叫んだ。

 これぞ、偽預言者の犯人名指し・敵指差し行動にほかならない。敵を指し示すことで、人々が自分の側に寄って一致団結するように仕向ける。それが偽預言者のやり方だ。
 

世の中が複雑怪奇で、人々が獏たる不安や焦点が判然としない恐怖心を抱いている時、この「敵指差し戦術」が効力を発揮する。

 以上がチームアホノミクスの支持基盤を構成する「偽預言者効果」だ。

危機感をあおる「振り込め詐欺効果」
グローバル化とともに各国で出現
 もう一つの「振り込め詐欺効果」も、結局は偽預言者の技の一つだと考えてもいいだろう。

「あなたは今、こんな状況に陥っていますよ。」「このままでは大変なことになりますよ。」「今すぐ、我が陣営にお入りいただかないと手遅れですよー」。こんな調子で危機感をあおり、自分の側に人々をおびき寄せて行くのである。

 2017年10月の“にわか総選挙”に際して、チームアホノミクスの大将は、「国難突破」というスローガンを持ち出した。あの旗印にも、彼らの振り込め詐欺的な強迫観念醸成作戦がとてもよくにじみ出ていたと思う。

「偽預言者効果」と「振り込め詐欺効果」は、決して、チームアホノミクスだけに固有のものではない。

 グローバル社会のあちこちに出現している大衆扇動型の政治家たちは、皆、大なり小なりこれらのツールを武器として、人々を国家主義と排外主義の方向へとおびき寄せて行こうとしている。

 そうした今日的時代特性が、日本においては安倍政権という姿を取って出現しているということだ。

 その意味で、チームアホノミクスとの闘いは、まともな経済社会を守るためのグローバルな闘争の一環だと考えておく必要がある。

 さて、以上のような特性を持つ安倍政権が、今後もなお存続して行くということになれば、それがもたらすものは何か。

 それは、日本経済の窒息死だ。筆者はそう考える。

「稼ぐ力」強化で
追い詰められるモノづくりの現場
 かつて、安倍首相は「アベノミクスと自分の外交安全保障政策は表裏一体だ」と表明したことがある。

 2015年、まだオバマ政権だった米国を訪れた時のことだ。「笹川平和財団アメリカ」で行った講演の中でそう言っている。

 つまり、彼は経済運営を外交安全保障上の目標達成のための手段だと考えている。政治が、その外交安全保障上の野望達成のために経済を“従属”させる。そのことを是としているのである。
 

講演で「表裏一体」論について質問されると、彼は日本経済をデフレから脱却させることができて、日本のGDPを大きくすることができれば、それに伴って国防費が増やせると言った。その意味で、強い経済の再生は外交安全保障政策の立て直しのために不可欠と、主張した。

 つまり彼がデフレ脱却を目指すのは、人々により良き暮らしをもたらしたいからではない。軍備増強のためにデフレ脱却を目指すのだと言っている。

 このような発想に基づいて経済政策を行えば、経済活動は必ずバランスを崩して失調して行く。

 現実に、カネの世界をみれば、国債市場と株式市場が、今の日本ではまるで正常に機能していない。安倍首相「ご指名」の黒田日銀が、根拠も希薄な「2%物価目標」の旗を掲げて、国債や株式を買いまくる異常な手法でカネをばらまいているからだ。

 いずれの市場においても、日本銀行の存在感があまりにも巨大化している。市場では今や、日銀が許容する範囲でしか相場が動かない。これは、もはや単なる呼吸困難の域を突き抜けている。既にして窒息死状態だ。

 モノづくりの世界も、チームアホノミクスが発した「稼ぐ力を取り戻せ」という指令に追い立てられて、実に息苦しい状況に陥っている。

「攻めのガバナンス」などという定義矛盾的な言葉に尻をたたかれて、ひたすら高収益を追求しまくることを強要されている。

 追い詰められた彼らが、検査データの改ざんなど、不正な手口をついつい強化してしまう。そういうやり方で、「稼ぐ力」が強化されたかのごとき風情を取り繕ってしまう。そんなことになってしまっているのではないか。今後、ますます、そのような方向に突き進んでいってしまうのではないか。

働かせ方改革」で
人間でなく「歯車」化する働き手
 そして、ヒトの世界については、もはや、多言を要しない。チームアホノミクスがつくった「働き方改革」という造語がどんどん独り歩きして行く。

 この造語が本当に意味するところは、「働かせ方超効率化のためのたくらみ」である。

 その一環を構成している「高度プロフェッショナル制度」の本名は「タダ働き青天井化のための仕組み」にほかならない。同じく「働き方改革」の中に組み込まれた同一労働同一賃金長時間労働の是正も、チームアホノミクスにとっては、「労働生産性向上」のための施策に過ぎない。

 安倍政権による「働き方改革」の下で、人々はどのような世界に追い込まれて行くことになるのか。

 それを知ることは簡単だ。かのチャールズ・チャップリンが世に送り出した映画「モダン・タイムス」を観ればいい。
 

これは1936年の作品だ。モダンな時代にふさわしい「働き方」を強いられる労働者たちは、次第に機械の一部と化していく。あくなき生産性向上が追求される中で、彼らは機械の歯車に巻き込まれて身動きが取れなくなっていく。

 モダンな仕立てに働き方を改革されることは、人間が人間ではなくなることにつながって行く。そのことを痛烈な風刺をもって示してくれたのがチャップリン先生だ。

 天国で今の日本をみている彼は、さだめし、愕然としていることだろう。こんなモダン・タイムスが日本に来てしまっているとは。なんたる悲惨。何たる愚かさ。そのように嘆き、胸を大いに痛めてくれているだろう。

「時代錯誤の愚かな政策」で
日本経済は”呼吸困難”に
 かくして、カネの市場も、モノづくりワールドも、そしてヒトの世界も、どんどん胸苦しく、呼吸困難な状態に追い込まれていく。これが、アホノミクスがもたらしつつある経済的帰結だ。

 これからもなおこの政策構図が保持されていくのだとすれば、日本において経済活動はいずれ機能停止に至る。

 最後に注意しておくべきことが一つある。それは、「アベノミクスの副作用」あるいは「アベノミクスの弊害」という表現に関する点だ。アホノミクス批判として、これらの表現は少し気になる。気になるというよりは、甘いと言った方がいいだろう。

「副作用がまずい」という時、そこには、暗に「本作用は良い」という前提が含まれている。だが、アホノミクスはそれ自体の作用に問題がある。

 副作用として息苦しさが発生しているわけではない。アホノミクスに弊害が伴っているわけではない。アホノミクスそのものが弊害なのである。

 アホノミクスという「時代錯誤の愚かな政策」そのものが、日本経済を呼吸困難に追い込んでいるのである。このままでは、我々はアホノミクスに殺される。