家にある小説は多くは新潮文庫である。
紙質がいいのか、装丁がいいのか、よくわからないが、今に至っては、書斎の棚の文庫本の、中で一番多く、300冊は新潮文庫である。もちろん岩波文庫も文春文庫も、講談社文庫も大切にたくさん置いているが、新潮文庫は、売れ行きが悪いと、すぐに絶版になる。だから、今から手に入らない本も多い。
新潮文庫は、わたしにとって青春の心を育んでくれた。だから、新潮社は好きだ。日曜日に、村祭りの曲でけたたましく始まる、「週刊新潮は只今発売中です」というCMも好きだった。大衆化、世俗化してしまった週刊文春より、週刊新潮の方が、まだマスコミとして信用できると思っているぐらいだ。
しかし、今回の新潮45は、気が狂ったのか、そうなってしまったのか、不可思議な記事を掲載してしまい、それが新潮社の顔として伝わってしまった。中には優秀な社員もいるだろうに不幸なことだ。
それにしても、広告に付け足されたロゴは見事な出来栄えであった。いたずらにしては、微罪になるかもしれないが、週刊誌がしていることはその程度のことであるし、正義の秤で測れるなら、そのロゴの方が意味がわかる。
ペンは武器よりも強し。
そう言ってきたではないか。
だからこそ、あとで悔やむなら、切腹なのだ、
新潮社も、この右翼化路線で行くのならば、早々に解散をして、恥が拡散しないようにしなければ、賢い読者から見捨てられる。
えー、読者はそんなものだって?