クラムチャウダーのアサリは?
クラムチャウダーは、うまい。いや、正しくは美味しい。美しい味と書いておいしいと読む。その通りである。うまいを連呼する番組もあるが、わたしは、美味しいとしみじみ語るのが好きだ。
そういうわたしをしても、うまいと絶叫してしまうのが、クラムチャウダーだ。
レシピは、色々あるが、これは訳あってルーを販売しているメーカーの、箱の裏箱に書いている、調理法をそっくりそのまま流用、いや、参考にさせていただいている。
しかしながら、材料にはこだわっている。サラダ油で1センチ大に切ったベーコンと野菜を炒めると書いていても、サラダ油をオリーブ油に、ベーコンは分量を幾分多く、キャベツなんぞ2枚のところ倍の4枚を.ジャガイモも3個も入れる大盤振る舞い。おまけに、モンゴイカも参加している。
あっという間に出来上がるところを弱火で火を通し、牛乳も北海道産4.0十勝牛乳である。
万全の体制で、いよいよルーを鍋に入れる。別にあのやたら英単語を日本語法で使いこなそうとしているおっさんを入れるわけではない。
どうだ。堂々の北海道。
ご丁寧に、北海道の地図まで入っている。
色が白いからニューイングランドクラムチャウダーである。トマト風味のマンハッタンクラムチャウダーも食べてみたいが、まだ未経験である。
さて、ここでクラムはどこへ行ったのだという事であるが、クラムはご存知のように食用の二枚貝である。たとえば、アサリやハマグリ。
しかし、しかしである。アサリのむき身も、ハマグリも、中国産。とくに、アサリなんてドブアサリという名でインターネットで紹介されていた。あの食品偽装の事件が蘇る。餃子にダンボールを入れ、期限切れの肉をわざわざ地面に落として使う、不衛生な動画が脳裏に蘇ってくる。ドブ川のしじみ、妙な色の海水のそばで獲られたアサリ、ハマグリに至ってはもう想像すらできない悲惨さである。
しかし、そういうアサリでも、むき身にして洗ってみればわからないし、殺菌か消毒をしたとしても中身は変わらないのである。
そうは言っても、日本産の二枚貝ではなかなかクラムチャウダーは、完成しないし、それではよくわからないがチャウダーでしかないのではないか。アサリの水だきの缶詰もあるが、あの量であの値段は、もう買うなと言っているようなものだ。
自分で、熊本産のアサリを殻から外してていう作業はできない。だからこそ、最強の二枚貝、ホタテ貝の貝柱に登場してもらった。夕方になると、ずいぶん安く売っていることもある。値引きシールが貼ってあるものは競争も激しいが、北海道産のホタテを一パック手に入れた。
猿払村のではなかったけれど、神さまありがとう。
そんなこんなで、ルーがとろみを出す中に、有難い半額ホタテが入り、おまけに、モーリタニア産のタコも入り、仕上がった。
美味しい。
クリームシチューにはない、濃くと甘さである。この味は確かに人を狂わせる。おかわりをしてしまった。芋も夢中で食べてしまった。どうしてこんなうまいものを、人は発明したのだろう。参ってしまう。
次は、カレーを作ろう。スネ肉をコトコト炊いて、そうは言いながら、安心安全な仕上がりを目指して、コンビーフを入れて作ろう。
美味しいかどうか、またまた、ハウスかS&Bか、それともグリコか、しのぎを削るわけである。