ボウズ丸儲け
家に父の仏壇がある。
先週の9日。
庭の水やりをしていると、いきなり背後から声をかけられた。
「通るよ」という言葉。
振り返ると、黒い装束の坊さんである。
えっ。母親はいないのに。
と、思い、「今、母はいません。」
と、言葉をかけた。
いや今日来ると言った。という。
しかも、手紙で伝えたという。
しかし、見ていないし、母が取り込むはずもない。
また、知らないというと、
せっかくお参りに来たったのに、今更出直してくるわけにはいかないという。
その偉そうな物言いに閉口してしまった。
一階に続くドアを開けて、勝手に室内に入っていった。
どうなんだろう。
この態度。
お盆の用意はしていないので、盆の用意もしていない。それなのに勝手にお経を読み始めた。
かなりはやく、もそもそで、数珠の音もせず、
お茶の用意や、お布施の袋を探している間にお経は終わった。
まだお経は続くと油断していたのに、急に終わり、次に、これもいきなり、車代3000円、施餓鬼3000円。合計6千円だという。
寺の袋が見当たらないからというと、あとで寺まで持って来いという。
しかも、デイサービスで出ている母のことを、デイサービスなんかいっても何にもならないとか、そんなに暇があるのかと、言いたい放題。
昔の坊さんは、ありがたい話があったものの、人を傷つける言葉を並べて帰った。
高野山で修行した坊さんが、この調子である。なんということであろうか。
困ったものである。