アヒージョ好きのビーバー

世の中の本質を、自分なりに考え、解説します。正義感が強く、偉そうなもの、金持ちには、牙を剥きます。

高取山登山

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今日は、12月なのに暖かく、天気もいいので、山に出かけた。はじめは、まだ雪の降らない伊吹山に行こうかと朝早くから準備を始めたが、なんと、家の鍵が見当たらない。

何度も昨日着た服やズボンのポケットを探るが、一向に出てこない。車の中にあるのではないかとか、風呂の脱衣場に落ちているのではないかと、家の外や中のありとあらゆるところを探し回った。あまり探してもないので、昨日の夜買い物をしたスーパーに落としてはいないか、裏の畑に落ちてはいないかと、オロオロし、もう、夢遊病者のように正体もなく歩き回った。家族にもラインで聞いた。応えはない。せっかくの休みなのに、なんて日だ。と、猫にまで見なかったと聞いてみたり、それでも、財布がなくなることと比べたらましやんと変に安心させたりしながら、無駄な時間が過ぎて行った。ついに10時前になり、もう伊吹山も、生駒山も、摩耶山も、無理という時間になり、持っていくはずのザックをひっくりかえし、撤収の準備に移った矢先、ザックの中からバシャッと探していた鍵の束が現れた。

なんだ、こんなところにあったのか。というか、入れたのは自分自身である。

つい2時間前のことまで忘れていた。脳の老化は始まっている。

そんなこんなで、近くの山に行くことにした、

あまり近いのもありがたくないので、神戸の長田区にある高取山を目指すことにした。

昔は、神戸は市民登山が盛んで、山には、茶店があり、そこでは、娯楽として、港町らしく船上で楽しんでいた輪投げができた。また、昔のちょっといかれた青少年の娯楽であった卓球も、できた。山自体が、今でいう温泉スパのようなものである。

高取山では、関東炊きという、甘口の出汁で煮たおでんを食べることができた。盛り合わせ250円。覚えている。

山だからずいぶん高かった。

 

そんなことを思い出しながら、でも、そんなことではないのもわかった上で、水筒にお茶をいれ、おまけに、ルイボスティーと、黒烏龍茶の茶葉を追い足して準備した。

 

市街地を抜け、山道にさしかかると、登山道に猫がいた。そうそう、猫が増えていたんだ。

足を悪くする前、一年ほど前に子どもと高取山に登ったが、もう、猫屋敷ではないかという祠があった。そんなことをおもいだしながら、第一ヤマネコを発見し、登っていった。

 

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登山道の入口で、小さな祠に挨拶をする。

 

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するとすぐに第2ヤマネコを発見した。

すごくかわいい。もこもこである。

 

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何を食べているのだろう。

結構可愛い。逃げないのはだれか世話をしているのだろうか。声をかけると返事をしたので、ずいぶん慣れていると感じた。

 

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一つ目の清水茶屋はもう閉めてしまった。建物はテラスもありおしゃれであった。

いつぞや最後らしい日には、テラスでパーティーをしていた。年寄りに混じって孫らしい子供もいた。わたしも、子供のころ賑やかな高取山に登って、休日を楽しんだが、その孫たちはどんな思い出が残るのだろうか。

玄関には、登山会の出席簿が置いてあった。そういえば、子供の頃、毎日登山会や、ヒヨコ登山会など、いくつかの登山会があり、市民は日常的に山登りを楽しんでいた。山に登るのはお年寄りだけではなかった。

大人の楽しそうな姿に、大人になったら是非登山会に入り、登山回数のトップを目指そうと考えていた。そのためには、1日に2回は山に上がらないかもしれないと変な心配もしたものだ。気軽な市民の休日の過ごし方であるが、そう高くもない山で、ブラブラと歩き、途中で関東炊きという甘辛いおでんを食べるのが日常を少し逸脱した娯楽であった。

 

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そんな感慨にふけっていたら、後ろから来たお年寄りに挨拶をされた。山では、必ず挨拶をする。これがマナーとなり、誰もがやる。たまにしない人もいるが、それは、山を知らない初心者だということにしている。少し前に流行った山女は、礼儀正しかった。一通りの山行きの本を読んでいたのであろう。

挨拶を返し後を追った。

すぐ上にある広場に猫がいた。親子であろうか、よく似た色合いの猫である。呼ぶと近くまで寄ってきた。

 

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一応、何をくれるのか確認のためにひとまず立ち止まりこちらの様子を見る。見ていないようでしっかり見ている。この仕草が猫である。

何も持っていないとわかった猫たちは、わざわざ、わたしの目の前を通り、戻って行った。

 

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その隣に、屋根が付いた休憩所があり、何かキャンプ場の室内調理城のような雰囲気である。

朝にはたくさんのお年寄りがベンチに座り、世間話をしている。昼近くにはもう誰もいない。

一度、突然の雨に降られ、ここに駆け込んだ思い出がある。

 

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ここには、一つ目の水場があり、コップが置いてある。このコップは使ったことはない。

 

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少し上には、八百万の神が祀られている。

もうどこに行かなくてもいい。全国の神様のいく柱が祀られている。こういうところが高取山には、あと2箇所もある。贅沢な登山道だ。

ここには天照大御神が祀られているが、一番谷の奥で日当たりが悪い。こんな場所で申し訳ない。神様は許してくれるのだろうか。

そこを過ぎ、一つ階段の途中の茶屋を過ぎると、またまた、神様の祠が現れる。

日当たりも良く、猫もいた。

一年前は、もっとたくさんいたのに、ずいぶん減っている。子猫たちは誰かが持ち帰ったのだろうか。餌をやらないでという看板があるが、猫を知らない人が書いているのだろう。無責任な餌やりを注意する無責任な張り紙である。

 

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この猫たちは体を触らせてくれた。いつかどこかで飼われていたのであろう。どんなドラマがあったのであろう。初めからここで生まれ育ちヤマネコとして暮らしてきたのなら、それは納得できるかもしれないが、幸せな暮らしをしていたとなると、なんとかしてやらねばと考えてしまうものである。小さな小屋でも作ってやろうかとか、風除けの板を立ててやろうかとか、なんとかということを実際に実行した跡がある。優しい人はいるものだ。

ここから、変に広い幅の階段が続く。右左右というように3拍子で登らないといけない。なんて邪魔くさいのだろう。坂でいいのに。

やがて、それも急階段が現れ、それを登りつめると、急に東側の景色が広がる。

鵯越や丸山の景色、神戸電鉄が向こうの山肌を走って行く様子が見える。あの辺りも、高齢者だらけの街になってしまった。

すぐに、第二の水場が現れる。

 

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ここには市民トイレがある。この跡もう一つトイレはあるが、ここのトイレはとても綺麗で広い。

その前には小運動場がある。このような運動場は、どの茶店にもあり、早朝登山では、それぞれにラジオ体操をしていた。今もあるのかどうかわからないが、震災の時も朝の体操で山登りをしていた人もいた。

 

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一番大きな茶店である安い茶屋がある。

ここの左側、西側には、広い運動場があり、輪投げの施設や、遊具があったのをおぽえている。この、屋根で覆われた両側に部屋があり、関東炊きを食べていた。

 

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もう、昼なので、中にはご主人がいるだけで、お客はいなかったが、昔から登山客が見ていたであろう小物たちが出迎えてくれる。

このものたちは歳をとらないが、人はどんどん歳をとり、やがて山に上がれなくなる。少し虚しい気になる。

 

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そこから、また少し上がると、東側にひらけた広場に出る。この広場は、幼稚園のころの遠足でよく訪れていた。真ん中に飛び出た山の尾根があり、そこにまたがって遊んだものだ。

ずいぶん高かったが、今思うとそうでもない。

ベンチや柵が整備されたものの、今は荒れ放題である。

 

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そこからしばらくは緩やかなスロープになる。

ここの景色が一番好きだ。丁寧に石が敷いてあ理、笹が生えている。少し高山に来たような雰囲気がある。

 

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階段を上がると、最後の月見茶屋に出る。建物は比較的新しく、しっかりしている。ここの運動場の奥には、高取山の裏から上がってくることのできる道が付いている。荷揚げが楽であるし、これを使えば、高取山はもっと身近になるだろう。

 

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ここにも猫はいる。4匹もいたが、そのうち1匹に、シャーと威嚇された。

 

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ここには輪投げの道場があった。

輪投げは港神戸ならではの遊びだ。外国船の甲板で娯楽としておこなわれていたが、それを港町神戸では娯楽として市民に広がったのである。

 

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そこからすぐ、高取山神社の階段を登り、街並みを眺めた。

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神社の奥にはまだまだ階段が続き、高取山頂がある。そこには、石塔が立っていた。

 

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またまた、八百万の神が、あちこちに祀られている。

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安井茶屋に降りてくると、またまた猫が3匹。みんなキジトラ。

中でも一番小さい猫は、家で飼っている同じくキジトラのてんちゃんとそっくりであった。

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人なつこい。連れて帰ろうと思ったが、他の2匹のとの関係がわからず、諦めた。家族ならかわいそうだからだ。

 

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ずいぶん下りてきても、またまた、山猫。

 

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それにも増して、この張り紙。どうしたものか。

 

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