アヒージョ好きのビーバー

世の中の本質を、自分なりに考え、解説します。正義感が強く、偉そうなもの、金持ちには、牙を剥きます。

必見❗️沁みる夜汽車

鉄道ファンには、なかなか趣のある番組がある。

それは、NHKの「沁みる夜汽車」である。

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新幹線が九州から北海道まで整備され、また、格安の夜行バスの登場と充実、寝台列車の老朽化のために、夜汽車はことごとく無くなったしまった。時刻表の改定のたびに、寂しい別れは続いた。

 

その昔、まだ、隅々まで高速道路が張り巡らされるまでは、遠方へ出かけるには、いつ故障するかもしれない車より、鉄道が安心であった。鉄道の事故も多かったが、それしかなかった。

 

A寝台やB寝台、2段、3段と、いろいろなバージョンがあったが、一度はあのよく揺れると言われていた寝台列車の3段最上段に乗ってみたかった。

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それでも、夜汽車の思い出はある。就職をして選ばれて九州大学の集中セミナーに出かける時、職場の先輩が駅で万歳三唱で送ってくれた。なにか、新婚さんみたいで恥ずかしかったが、それほど長閑な時代が日本にはあった。

 

しかし、なんだかんだで列車が動き出し、自分の座席を探してやっとのことで見つけると、もうそこには人が寝ていたのである。満席だと聞いていたので、どうしようと車掌に相談すると、まだ、ネットもない時代なので、何かのミスで重複したらしい。そこで、別の車両の同等の席をあてがわれた。

 

朝の4時半ごろに博多に着いてしまい、乗り継ぎの時間まで時間潰しが大変であった。懐かしい思い出である。車内のむせ返るような熱気と、カーテンを閉めて自分1人の空間になったスリルと、通路を行き交う足音と、今でも思い出す。

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番組で紹介されるエピソードは、一つひとつが、わたしの話以上に何十倍も素晴らしい。人情話や経験を、ドキュメントとイメージ映像で紹介していく。夜汽車と名がついているが、一般的な鉄道の話が繰り広げられる。

 

重篤な心臓病の子どもが江ノ電を運転した話。

小学生と会社員がふとしたことで友情が芽生えた話。駅弁の話。母との約束の話など、やはり鉄道は、人生も運んでいるのだと、ドラマ「旅路」のオープニングの鉄路のようにどこまでも。

 

しかし、今は、サンライズ瀬戸、出雲ぐらいしか乗ることができない。あとは、些か値段の貼るような特別な上級国民しか乗れない列車しかない。サンライズはモーターが床に埋め込まれた電車なので、電気機関車に牽引されていた寝台列車とは違う。モーター音が結構する。それはそれでいいのだが。

 

懐かしい時代は、そっくりそのままに戻ってこない。もうこれ以上、あれほど金をかけて造った鉄道を廃線にしてはならない。必ず必要になる日が来る。