愛犬りょう 26
昨日は、泥んこになった庭の隅で寝たために、せっかく洗った体が、ドロドロに汚れた。夜中の2時に、悪夢を見て、変な鳴き声を連発した。
今日は、朝から気温が低かったが、太陽が出て日差しは暖かかったから、目が見えないりょうもぶらぶらしていた。
しばらくして、庭の花の植え替えをしようと降りると、疲れて、小屋の隣の玄関の横で寝ていたのだ。
しばらくすると、人の気配に気がつき、ゆっくりと起き上がり、
小屋の周りを右回りに歩き始めた。
いつもなら、これを何周かして、ご飯を食べて、水を飲み、小屋に入るはずであったが、
また、
こんなのになった。
しばらく寝た後、駐車場へと現れて、何も手伝うこともなく、ぶらぶらしているうちに、車の後ろをまた右回りに周り、めんどくさくなってギャーギャー喚いた後、今度はおとなしく自転車置き場で、自転車をこれまた右回りに回ろうとし、体が引っかかり、そのまま力尽きた。
まるで自転車に轢かれているようであるが、この地面の感触がお気に入りで、自転車を3台も倒した末に、その隙間で寝ていた時もある。
母が、近くのスーパーまで買い物に行くと気配で感じ、またぶらぶらし始めた。あまりにも、活動的なので、散歩に連れて行くことにした。
何か、引きずっているようであるが、巧みに綱の張り具合いを調整し、体に負担のないようにしている。しかし、周りの人々は、かわいそうにという顔で見ている。
時々こうなる。
なんの前触れもなく、急に綱が重くな。
しばらくすると起き上がり、呼吸を整えて、歩き出す。往年の、吉本新喜劇のおじゃましまんにやわの、竜じいこと、故井上竜夫さんの、三途の河がというギャグの間に似ている。絶妙なタイミングで立ち上がり、動き始める。
やっと帰ってきたが、サービスで、もう少し歩かせた。
家に帰ってきても、まだまだ元気。しかし、足腰が痛い。
一応、たくさん歩いたもんねと、疲れた表情を見せる。
この後、また自転車のスポークに足がはまり抜けなくなり、通りがかりの女子高生があわててインターホンで異常を知らせてくれた。
右にしか回らないのは、脳にも異常があるのだろうと、お医者さんはいうが、大病を乗り越えたのだからと、まだまだ、うるさいりょうと、一緒に頑張るつもりだ。