朝の車内から7
今朝も天気がいい。
職場の人にゆずを持っていってあげようと、庭の木と格闘していたので、また、遅くなってしまった。
電車は満員であった。
いつもは、乗る駅で、相当な数の人が降りるので、こちらの2列縦隊も、6列目までは安泰なのであるが、今日は4人しか降りず、乗りきれるのか、心配であった。「とにかく、6列目までは乗せないと、運命共同体だ」ということで、列車の中ほどへ進もうと、人波をラッセルしようとしたが、2人の大男が立ちふさがり、どちらかといえば、「次の駅で降りるからここは動かないもんね」という態度でバリケードを張っている。
ここは、学生時代に散々練習した、あのラグビー部のスクラムでと、思ったのだが、なにぶんバドミントン部であったため、力ものはてんでダメである。仕方なく、後続の2列縦隊の仲間たちにすまないと、後ろを振り返れば、全員車内に突入完了であった。
右側にいた、赤いスタジャンの若者が、勇敢にも、敵の完璧な防衛線を突破し、車両の中程で、平然と吊り革を握っていた。さすが、4号車3番扉隊である。ならんでいるときは、スタジャンってこの時期寒くない❓と、すこし心配したのだが、彼の心には、ふつふつと湧く別府温泉の血の池地獄にも匹敵する熱い思いがあったのだろう。
確認終了後、次の駅で2人の大男とともに、車外に吐き出され、再び突入を試みたのである。
例によって、吊り革運動女も乗車し、素晴らしい晴天のもと、電車は走るのであった。