愛犬りょう16
この2日、静かに暮らしている。
目が見えないまま、あちこち歩き回るが、プランターや、フェンスに挟まれることもなく、犬小屋に後ろ足を引っ掛けることもなく、水入れの水をひっくり返すこともなく、自由気ままに過ごしている。
何度も言うが、犬の15年と言うと、人間では大変なことのようだ。100歳を超えているとも言われるが、しば犬の寿命は、13歳だと聞いているので、それから考えると、たいそうな年齢である。
鼻が、角質化して、今にもパラパラと剥がれ落ちそうなのではあるが、そのためか、臭覚が鈍って来ている。
餌の、ドッグフードも、近くまで持っていかないと食べようとはしない。だから、犬としての機能が、低下してしまったのではと思っていたが、
しかし、それでも、庭に散歩に行き、プランターや自転車に当たり、クルマの車体やタイヤと格闘しながら、歩いているものだと思っていた。
今日、駐車場でクルマの中を掃除していたら、のこのことゆっくりとりょうが歩いて来た。すると、なんてことだろう。1度も身体を車に当てることもなく、すり抜けていく。見えているのではないのか?と思わせるほど、すごい。
目が見えなくなり、長く頑張ったからなんだろう。偉いなあと、褒めに行こうとしたら、電動のガレージシャッターとプランターの間に挟まってしまった。すると、ドカドカと、プランターの花を踏んで、方向転換をし、バリバリとプランターの上を慌てて踏みながら、その感触の悪さにのたうちながら、また、何事もなかったように、犬小屋に帰って行った。