朝の車内から 15
またまた、1週間が始まった。
今日は、暖かくなりそうだというが、まだまだ寒い。朝、玄関を出たところに、愛犬りょうが、うんこをしていた。夜中の1時ごろ、門から玄関までの通路で鳴いているので、お腹が空いていると思い、大好きな餌をやって、ついでに犬小屋まで連れ戻した。最近便秘なのであろうか。よくわからないが、あちこち、庭やガレージを歩き回っては、汚していく。
今日は帰ってから、通路のレンガ磨きをしなければならない。
そんなこんなで、また、ギリギリ到着の電車になった。4号車の前から2つ目の扉には、もう、約14人もの人がきちんと2列縦隊で列をなしていた。乗り切れるかなという人数ではある。つい5分前に電車は出たというのにこの混み具合である。大変だ。
しかし、またまた、奇跡が訪れた。座席が空いている。「座りませんか」と聞くと、「周りの人は次降りますから」と言う。またまた、座ってしまった。3日連続である。
しばらくすると、あの懐かしい、「ぐわっ」という音が聞こえる。何回かに一回は、「ぐわっコー」と、いう編曲もある。
いたいた。向かい側の席に。左へ20度頭を傾けて、天井を見上げ、1人の男性が寝ていた。
体が大きく、黒い大きなメガネで。すぐにわかった。
今日は、白いマスクも、大きめで顔面を覆い尽くさんばかりのサイズであり、なんと耳には、うさぎさんの耳ではないかと間違えるほど、巨大な白いヘッドホンが付いていた。堂々の、いびきマシンである。昨日の日曜日、たぶん、家族サービスをしてきたのだろうなあ。寒いから、アウトドアはないだろうが、それでも天気が良かったから、少し遠出をしたのかもしたのかもしれない。
いや、既婚者と決めつけるのは良くない。昨日は、朝からパチンコ屋に入り浸り、出ます出します取らせますの罠にはまり、北朝鮮への送金の糧になる程、負けたかもしれない。いや、美術館で一日中鑑賞し、足が棒のようになったかもしれない。
それはそうと、ひょっとして、妻に逃げられ、昨日は、朝から、炊事洗濯、掃除に明け暮れ、疲れていたかもしれない。とにかく、そういう社会の喧騒に戦いを挑み、ようやく休息を得たような姿である。
しかし、そう言っているわたしも、若い頃、阪急電車の車中で、よだれを垂らして熟睡し、須磨浦の折り返し車庫まで、乗り過ごしたことがある。
できれば、石田ゆり子に、お疲れさまと言われたい。