週刊朝日 3月9日号から室井さんの手記
「各種報道によると、安倍首相は2月17日、フィギュアスケートの羽生結弦選手に電話をして、
「困難を乗り越え、多くの人に勇気を与えた」
と祝福したらしい。
羽生選手は、
「今まで頑張ってきたことが報われた」
と応じたそうだ。
これさ、バッチリカメラがまわっているところで行われているんだよね。
首相官邸のSNSにも、羽生選手と安倍首相の2014年のツーショット写真を載せている。羽生選手が安倍首相に金メダルを渡すシーン。
たしかに、怪我を乗り越え五輪連覇した羽生選手は素晴らしい。
でも、なんで、そこに安倍首相がしゃしゃり出てくるんだろう。
五輪憲章によると、オリンピックは、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではないとされている。オリンピックでの栄誉は、あくまでも選手たちのものだ。そこに国家を絡めちゃダメなのよ。
この国のトップである安倍首相がしゃしゃり出てきて大喜びするところを大々的に報道するって、五輪憲章から外れておる。
羽生選手は素晴らしい。だけど、羽生選手が日本人だからといって、日本のトップである安倍首相も素晴らしいとはならない。
そこを混同した報道の仕方。この国は後進国みたいだよ。そんなことやりそうなのは、北朝鮮くらいのもんだもの。ひょっとしてこれを2020年の東京オリンピックまでつづけるの?
国会での答弁の酷(ひど)さなどをガン無視して。
とうとう安倍首相は14日の国会で、
「(専守防衛は)純粋に防衛戦略として考えれば、大変厳しい」
と述べた。
「(専守防衛は)相手からの第一撃を事実上甘受し、国土が戦場になりかねないものだ」
そして、ミサイル技術の進展で命中精度が高まっているとし、
「攻撃を受ければ回避するのは難しく、先に攻撃したほうが圧倒的に有利になっているのが現実だ」
といった。
この安倍首相発言って大変なもんじゃん。これまでの日本を否定し、やられる前にやるってことを肯定しているんだもん。
日本の在り方が変わるって話だよ。ニュースにならないけどね。平昌オリンピック一色で。
それでもって、政権支持率はここに来てじわじわと上がっているものもあるんでしょう?
権力の私物化が露(あらわ)になって、日本の在り方が書かれている憲法を蔑(ないがし)ろにして、格差を広げて国民の生活をぶっ壊している政権なのに。
国民みんながそれでいいなら、いいのかね? たぶんそうなる。
世の中が盛り上がっている最中、辛気くさいこというと嫌われるしな。
あたしもちゃんと世の中に同化しなくちゃ。村八分にされそう。」
全く同感だか、諦めていいのか。
日本の独裁者に、敗北などしない。
日本国民は、大半が腑抜けだが、まだまだ、志のあるものがいる。今こそ天下国家を考え、自分なりに騙されてはいないのだろうかと、振り返るべきところに来ている。大政翼賛会にならせてはならない。
どこまで腐っていくのか。
しかし、わたしは、決して腐らない。