安いはずのカニはどこへ行った?
今年の冬は、蟹がいつものように取れているのに、コロナ禍で観光客が少なく、また、日本へ押し寄せる外国人が全くなくなったため、経済の論理からすると、安くなるはずであった。
ちなみに、蟹は一割ほどしか国産はない。たいていロシア産である。
阪神淡路大震災の時も、ちょうどこの時期だったため、外国人観光客がまだ来なかった頃、日本人は被災者を気遣い、カニを食べに行ったり、旅行をしたりすることを控えた。中には大阪人のように記念撮影に来たようなバカは居ただろうが、日本中が悲しみを共有し、蟹もあまり売れなかったという。
売れなければ安くなるのが経済論ではあるが、なかなかかには安くなった感はない。むしろ、安くなっただろうと思い、ウハウハでスーパーに行っても、昨年と変わらない値段で、いつの頃の冷凍物だと、疑いたくなるような蟹が並んでいる。中には、古さを明白にする、黒ずみがある蟹がある。
おそらく、今年の蟹は、来年用に冷凍されているのであろう。別に気象変動ではなく、人間界の勝手な都合で食べられないだけなのに、もう、都市部には運んでやんないという、生産地の思いもあるのであろうか。
このままでは、もう冬にはカニを食べなくてもいいわ。というようになるであろう。正月の数の子が、
高い→買えない、
高い→買わない、
高い→いらない、
となったように、もう、わが家では、食べなくてもいいじゃない。というように、突如ギター侍が現れ、切腹という流れにあるのだ。
わが家の冬のよき日の鍋は、シーチキンとホタテで十分。なんなら、鯖の水煮の方がもっと栄養があるし血がサラサラになるし、一石二鳥と家族にも言わしめる変化が出て来た。
これ去年の蟹らしい
もう蟹は、東京の接待で使われるのみで、70,000円のコースに君臨するぐらいでないとお目にかかれないものである。
しかし、庶民を見くびれば、とんでもないしっぺ返しが来る。いまでも高額な技術料を取り続けている高級料亭は、今すぐ全ての料金設定を格安に変更すべきである。また、卸業者は、米問屋のような、売惜しみをせず、廉価で販売して欲しい。
ネットだけでなく、使えないお年寄りのためにも、安くスーパーに流してほしい。