クラシック1 グノシエンヌ
エリック-サティは、フランスの作曲家である。
1889年のパリ万博で多くの人々が、機械と電気の時代の到来を予想し、歓喜する姿に背を向け、何か違うと思い浸ったのだ。
ハンガリー、ルーマニアの民族音楽のエキゾチックな音色に興味を持ち、聴きこんだ。
パリの北にある、モンマルトルに住み、たくさんの芸術家と交際し、酒場でピアノを弾いて生計を立てた。
彼が作曲した、グノシエンヌ第1番の楽譜は、常識を打ち破るものであった。
その譜面には、
拍子記号や小節線がない。
おまけに次のような妙な音符や言葉が書かれている。
自分自身を頼みにして
Postulez en vous-meme Ask yourself
舌の上に乗せて
Sur la langue On the tongue
どうすればいいのかは、自分との問いになるのであろう。
時代の先を行く表現の具現者であったサティーは、今では、かなり聞かれるようになった。マーラーのように未来に生きる作曲家であったのだ。
ドビュッシーやラヴェルだけでなく、環境音楽、ミニマルミュージアム、ポップスなどの現代音楽にも影響が及んでいる。
時代を生きる人もいれば、こうして時代をつなぐ人もいる。