アヒージョ好きのビーバー

世の中の本質を、自分なりに考え、解説します。正義感が強く、偉そうなもの、金持ちには、牙を剥きます。

素敵な和歌山10 今時の阪和線

朝から青春18切符で京都にと思っていたのだが、京都線が遅延を出していることを知り、断念した。来週ともなれば、もうさくらさくらさくら、人人人と、てんこ盛り状態になり、もう来なければよかった。4K放送の桜でええやんとなるはずなのである。だいたい、休みの日は、この時期どこでも混むが、最近元気なお年寄りが多いからだろうか、平日にもかかわらず、沢山の老人が小さなデイバッグを担いで、あちこちに出没する。特に、昼間のスーパーは、大変なことになっている。ポイント3倍とか、いや今日はやけくそだポイント5倍だとか、お年寄り割引デーだとか、やたら〇〇の日が矢継ぎ早に押し寄せる中、その荒波を苦にもせず、元気なお年寄りが、朝からわんさか押しかけている。わたしは、昼間なのにごった返しているのに毎回出会わし、しかも、もう十分会社や事業所で働いてきたお父さんが、携帯を取り出し、おそらく妻であろうひとと、「白菜は4分の一かいなあ」「塩ジャケは甘口かなあ」と会話しながら、まるでジャングルを探検するような気迫でずんずんと進むのである。こういう形の、老後の姿は実にすばらしい。それがこの数年、ますます、拍車がかかってきたような気がする。

それでもって、今日の新快速も、紀州路快速も、昼間なのに満員なのである。前乗り4両は関空に、後ろ乗り4両は和歌山行きになるのだが、おそらく何人かは、間違えて和歌山まで行ってしまうのであろう。

f:id:deebtomy8823:20190328115352j:image

戦前は日本一のスピードを誇っていた阪和線は、停車駅の増加と、関空へ行くついでという立場性に鑑み、とてつもないローカル線としての不便さを抱えてしまった。ついこの前には、南海電車とスピードを競っていたのにと思うと、地方都市の凋落ぶりと、政府の少子化対策の無能さに怒りがこみ上げてくる。

そういえば、和泉府中に五分も停止し、特急くろしおを先にいかした。まだまだ、日根野関空行きを切り離した後は、和歌山まで各駅停車をする。こんなのでいいのか。40年前より和歌山は遠くなってしまったのである。

なんといたわしいことか。

f:id:deebtomy8823:20190328115526j:image

高速料金はいつのまにか実質値上げをされ、鉄道は、時間が遅くなってしまったのである。

それなら特急に乗ればいいではないかと言われそうだが、それは違う。と言っているうちに、いよいよ左に見える山なみが近づいてきた。もう泉南である。すぐに熊取のアナウンスが流れる。次にとまる日根野は、学生時代に、駅にキャンプ用品を一式忘れてきた思い出がある。小さな小屋のような駅だったのに立派になった。かつての玉ねぎばたけに代表される農村のイメージなど皆無である。ここで、列車の切り離しを行うが、後ろの車両から前の車両へと、スーツケースを転がしていく人々の集団移動がある。ここでまた、5分ほど待たされ、さらに、各駅停車になった駅で、またまた、途中で4分ほど特急電車の通過待ちをし、降りる駅で自分でボタンを押すという、阪神間では考えられないサービスが始まった。阪和自動車道に沿って走り、昔は温泉宿のあった山中渓を通り、県境を越え、紀ノ川に沿ってはしり、和歌山に至るのである。