アヒージョ好きのビーバー

世の中の本質を、自分なりに考え、解説します。正義感が強く、偉そうなもの、金持ちには、牙を剥きます。

神戸の駅弁『肉めし』

今日は新幹線が一時普通になったけれど、子どもとスコティッシュフィールドが、帰って行った。わずか1週間ではあったが、昔の生活が戻ってきたようで、それなりに懐かしく楽しかった。

 

見送った後、駅で駅弁を買い、久しぶりに旅行気分を味わうことにした。えーっと。な、なに?

神戸名物の、肉めしがなんと、1600円になっている。コロナ前には1100円だったではないか。あまりのびっくりに、そこにおいでおいでと書いてある、いちおし!という言葉も霞むほどだ。1番高いけど美味しいでと言っているようなものである。

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山陽新幹線が開業した時は、確か650円だったと思う。それでも高いなあ、と思っていた。今はもう、四捨五入すれば堂々の2000円である。

でも買った。

これが最後かもしれない。来月には本当に2000円になるかもしれないからと、奮発した。見送りについて来た子どもは、そういう親の焦りを感じてか、六甲山縦走弁当という、またまた、ローカル行事を模した安い弁当にした。

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さて、肉めしである。えらそうに、神戸ビーフという言葉が書いてある。神戸ビーフといえば全世界知らない人は知らないが、かなり有名である。食べたことがあると、無理して答える人もいるが、何かその肉の基準はややこしい。

 

讃岐うどんなど、製法について、こなは香川産とか、五時間以上寝かせるなど、いくばくかの決まりはあるものの、最後に香川県で作られたものという条件に参りましたのなるのである。

 

そのてん神戸ビーフは、神戸で飼育していない。細かいことはわからないが、他の人が大騒ぎするほど神戸の人は気にもしない。今日の長崎のは美味しいとか、熊野牛はあっさりやでとか、さらりと肉の話は日常会話の端をすり抜けていく。今日うち神戸牛食べるねんとでも言おうなら、もう、笑い者である。神戸牛を誇りにしようにも、実際何も関わっていないなであるから、地名だけついた、相当訳のわからんものを自慢したくないのである。だから、なになに肉のすき焼きなど、口にするのは神戸では邪道である。

 

それなのに肉めしでは、必死に食う。

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この控えめなデザイン。落ち着いたフォルム。

うーむ、長年も変わらない、変えない安定感がある。

 

え!あれ!?

これを見ていて気が付いた。時すでに遅し。

全体的にしっくりしていた落ち着きがある。赤が少し暗い。デザインが違う。調べてみた。

 

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うーむ、これがあの肉めしだ。やはり、1100円。

今日買ったのは、肉めしの贅沢版であったのだ。さすが新幹線である。庶民の肉めしは在来線の神戸駅にて買え!てところなのか?

 

気を取り直して、紙の蓋を開ければ、その裏に、肉めしの由来が書いてある。どうだ参ったかと言わんばかりの論調ではあるが、それでも、お客さんにでしゃばらず偉そうにすることなく書いている。

日本に初めて鉄道が走ったのは、1872年新橋横浜間であったが、2年後神戸大阪間が営業している。この間は、石屋川、住吉川、芦屋川と大きな天井川が、流れており、1番流量の少ない石屋川から、川の下をトンネルをつくり鉄道を通す工事を行なった。当時は直接川の下を掘り進むのではなく、一度川を付け替え、トンネルの場所を掘削して、レンガでトンネルの形状をつくり、その上に元の皮を付け替えるという実に邪魔くさく工事日数のかかる開削工法しかなかった。3年かかっている。日本最初の鉄道用トンネルである。

同時に住吉川と芦屋川も結構大工事であった。

もし、このトンネル工事がなかったら、神戸大阪感が日本最初の鉄道開通であったのかもしれない。

もしもの話ではあるが、新橋横浜間も、薩摩藩や西郷の反対がなければ海道を造ることなく、もっと早く開業していたかもしれない。 

 

どっちもどっちだ。

 

さて、ゴージャスな肉めしは

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肉はワインにつけた神戸ビーフのローストビーフが6枚も鎮座し、お決まりの胡桃の甘煮と、アスパラガスと、パイナップルが、口直しに控えている。もはや廉価版となってしまった、元祖肉めしより、量的にかなり多くなっている。

 

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肉の下には、錦糸卵がびっしり。やってくれましたねと言わんばかりの、豪華さである。

その下にある、同じ色のご飯は、おそらくサフランライスであろう。

 

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量は少ないが、仕事きっちりである。それにしても、ややこしい。500円も奮発してしまったではないか。おいしかったけれど、やはりビールかワインが必要だ。