てんちゃんは5月生まれののら猫の子どもである。まだ、噛みつくことが多く、一番の遊び友だちの子どもの手は傷だらけである。
昼間は、一階の母の居間で、母が相手をしているが、帰宅後、子どもが帰るまでは、わたしが相手をする。子どもは家に帰ると風呂に入り、寝るだけの生活だから、わたしは、晩御飯の後の数時間をてんちゃんと、ともに時間を過ごす。だんだん、行動力が伸びてきて活発になり、手が負えなくなってきているところと、行動面のパターンがわかり、一緒に楽しめるところがわかってきた。
手に負えないところは、台所に出没し、予想外に高いところまで上がっていくところである。どうやら水を飲みたいときには、1人で勝手に台所に行く。そういう時は、水入れにしている大きな瓶の蓋に水を入れてやると落ち着くが、飲みたい分を飲み終えると、にわかにその大きな蓋を掃除機のルンバのようにあちこち前足で叩いて、そこら中ビチャビチャにしてしまう。
台所で料理をしていると下から何をどのようにしているのか知りたくて、上って来ようとする。冷蔵庫のなかも、知りたいらしい。
とにかく、監視をしている。
時々、冷蔵庫の中身を見せてやるが、次に何が出てくるのかを、ずっと見ている。
台所にある、休憩する椅子の上に乗り、そこからも眺めたりしている。
時々切った野菜を床に落とすと、その切り屑を前足で運んで行き、居間のフローリングでサッカーをする。早く取り上げないと何処かに行ってしまい腐ってしまう。
大変だ。
そのうち、体が大きくなると、冷蔵庫の上に上がれるようになるだろう。そうなったら、もう落城である。
一方で行動パターンとして、ご飯の前まではすごく走り回り、コードや紙で遊びまくる。そのあとご飯を食べて、毛づくろいをする。
状況を見て、少し離れたところに座り眠りの体制になる。その時、膝の上に乗せてもそのままゴロゴロ言って、1時間ほど、寝るのである。
白い瞬膜が見えれば、本当に眠い時である。
こうして少しは慣れてきているものの、布団で一緒には寝ない。
大学の下宿で飼っている猫はもっと人懐っこかったのに、全く反対だ。
寒くなったらベタベタするのだろうか?