朝の通勤ラッシュ
職場までは自動車に変わった。
今まではJRで、鉄道ファンのわたしとしては、毎日が楽しい鉄分補給であった。一度に何十人も乗る車内では、自分も含め、けっこう面白い人がいて飽きなかったが、今は、車の中で孤独との闘いだ。
それでも、運転の仕方は技術も含めていろいらあるもので、危なっかしいものから、この車種を乗る人はどんな特徴があるかまで、少しずつわかってきたような、勝手に決めつけているようなものが、見えてきた。
まず、朝は、屋根にアルミ梯子をつけたバンタイプの車が多い。
このタイプは、おそらく建築業なのであろう。コンビニが好きで、どこで曲がるかわからないし、大抵大所帯で、その重さが影響してか、梯子が外れまいとこだわるのか、スピードを出さない車が多い。
このアルミ梯子が、軽トラに積まれていたら最悪である。
次に、赤ちゃん乗ってますステッカーを貼っている車。
これは、2種類あり、保育園までの車と、そこから勤務先の車とは、走りが異なる。
当たり前の話だが、保育園前のは、慎重かつ遵法運転である。それどころか、40キロの道を30キロ以下で走ることもある。急いでいる時はイライラするが、仕方ないことで、特に黄線の道路では、なんてこったパンナコッタという状況に陥る。下手して、追い抜こうものなら即刻違反切符を切られるし、クラクションでもならそうなら、煽り運転とも間違えられ、これまた、ブタ箱行きである。霊柩車に従って走るタクシーのようなものだ。比較的短い距離である場合が多いので、しばらくの我慢で落ち着く。
しかしながら、一番困るのは、もみじまーくの、プリウスである。
プリウスは、電気やガソリンで走る工程が複雑であり、それが車のダッシュボードの画面によって表示される。ちょっとしたテレビゲーム機感覚で、これ以上アクセルを踏み込むと、燃費が悪くなるとか、発電量がどうなんだとか、色々なハイテクの操作において、煩悩が生じ、こんなスピード有りかというような低速走行をする運転手が多い。
車のせいではないが、省エネを売り物にしている以上、やはり燃費優先なのであろう。ガソリン車であっても、燃費を気にする人は2000回転を超えないようにしていると聞く。そういう努力は、みんなが急いでいる通勤時間にしなくてもいいものだが、50キロの道を40キロでとん走するプリウスによく出会うのである。
このように、朝はどの車の後に着くかが、運命の分かれ道。そんなことを気にしないで走るには、あと十分早く起きればいいだけなのだが。